「まぁ何も無い家だけど、ゆっくりしてってよ」
「おおっ! ティダ特有の赤瓦に、守り神である獅子の置物! うーん、これぞ南国建築! 素晴らしいですねー」
木綿先生が家をキョロキョロと見上げて、何やら感動している。よく分からないが褒めてくれているようなので、悪い気はしない。
対して雨美くんと夜鳥くんは微妙な顔で、我が家を見上げていた。
「なんか壁薄くない? セキュリティは大丈夫なの?」
「てか狭めぇな。ウサギ小屋か?」
「はい、雨美くんと夜鳥くんは野宿決定」
額に青筋を浮かべてギロリと睨みつければ、二人が慌てたように私に言い募る。
「や! 壁が薄いと同じ部屋にいなくても会話出来るし、便利だよね!」
「だな! それに使用人がいないなら、狭めぇ方が効率的だよな!」
「はぁ……」
褒められている気は全くしないが、これでも二人は精一杯褒めているつもりなのだろう。仕方ない、今回だけは頑張りに免じて失言は不問にしてやろうか。
「まふゆちゃんのお家でお泊まり……。えへへ、こういうのずっと憧れていたから嬉しいな」
「朱音ちゃん……」
ふわふわと幸せそうに笑う朱音ちゃんに、さっきまでの荒んだ心が瞬時に癒されていくのを感じる。
さすが天使! 私も朱音ちゃんが来てくれて嬉しいよ! ていうか、そのサマーワンピース姿も可愛過ぎるぅぅ!!
