雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「あっ」


 そ、そうだった! お母さんに九条くんのこと、説明しなくちゃいけないんだった!!


「おかっ……!」


 私は慌てて口を開こうとするが、しかしその前に九条くんがスッと前に出て、お母さんに頭を下げた。


「いきなりお邪魔してしまい申し訳ありません。僕は九条(くじょう)神琴(みこと)と申します。まふゆさんとは友人として親しくさせて頂いております。これ、つまらないものですがどうぞ」

「あらあら? ご丁寧にどーも。さすが名門貴族、若いのにしっかりしてるわ。ふふ、まふゆったら、男と一緒に里帰りなんてやるじゃない」


 どうやら名字で九条くんがあの妖狐一族九条家の人物だと、気がついたようである。
 上機嫌で見るからに高級そうな菓子折りを受け取ったお母さんは、私に意地悪げな眼差しを向けて、からかうように言う。それに私は顔を真っ赤にして反論した。


「違っ!! 九条くんとは同じ生徒会仲間ってだけで、別にそんなんじゃっ……!!」

「あーはいはい。じゃあ一応そーゆーことにしておいてあげるわ」


 慌てふためく私を見てケラケラ笑った後、お母さんは九条くんにもう一度視線を戻した。


「ま、お貴族様には手狭な家で悪いけど、歓迎するよ。頭が固ーいまふゆが連れてきた男なんて、興味あるしね」


 そう言ってお母さんは玄関に入ろうとして、「あ」とこちらを振り向いた。


「そうそう。申し遅れたけど、わたしはまふゆの母で雪守(ゆきもり)風花(かざはな)ね。さ、突っ立ってないで入った入った!」


 そう言って片手に菓子折り、もう片手にバカでかい魚を持ったお母さんが、鼻歌を歌いながら家の中へと入っていく。


風花(・・)……?」


 九条くんはそう呟いて、私を伺うようにして視線を向けてくる。それに私は微妙な顔をして頷いた。