「そう思ったら、もっと楽しいことが知りたいってどんどん欲張りになった。でもこんな、まふゆちゃんをずっと裏切っていたなんて知られたら、絶対に嫌われる、友達じゃいられなくなるって怖くて、本当は早く言いたかったのに、こんなことになってしまうまで、いつまでも言えなかった……!!」
ボロボロと泣き濡れた朱音ちゃんの瞳を真っ直ぐに見つめて、私は静かに話す。
「私がそれを知って、理由も聞かずに朱音ちゃんを嫌うようなヤツだと思った?」
「…………」
ヒクッとしゃくり上げながら、朱音ちゃんが顔を隠すように俯いたので、私はその両頬にそっと手を当てて、こちらへと視線を合わせさせる。
「大丈夫だよ。朱音ちゃんが誰だって、何をしていたって、関係ない。だって私は知ってるもん。朱音ちゃんは頑張り屋さんで、ふわふわ可愛くて、いつだって私のことを心配してくれていたのを」
――そう、朱音ちゃんは〝裏切っていた〟なんて口では言っていても、今だって自分の立場が危うくなるにも関わらず、私を助けに来てくれた。
さっき客間に現れた黒い妖力の正体だって、間違いなく――……。
「変わんないよ。私は朱音ちゃんが大好きで、ずっとずっと友達なんだから!!」
「……っ、まふゆちゃんっ!!」
言い切って笑って見せれば、勢いよくぎゅうっと朱音ちゃんに抱きしめられる。いやこの場合、朱音ちゃんに抱きつかれていると言った方が正しいのかな?
ポンポンと大丈夫だよという思いを込めて頭を撫でれば、より一層朱音ちゃんはしがみついてくる。
「……まふゆちゃん」
「うん?」
「わたしも、わたしもまふゆちゃんが、大好きだよ……!!」
「うんっ!!」
そっと震える朱音ちゃんの背に手を回す。それから涙が収まるまでの少しの間、私達はぎゅっと抱きしめ合っていた。
