「こ、これって、妖狐本来の姿に戻ったってこと!?」
突然の事態に私があわあわと叫ぶと、本性を露わにした女性もとい妖狐達は、ジリジリと私達への包囲を狭めてきた。
「言うこと聞かねぇなら力づくってか!? まさか最初からそのつもりで、コイツら置いてたのかよ!?」
「分からないけど、ご当主が交戦的な人物であるのは確かみたいだし、あながち皇帝陛下の件も嘘じゃないのかもね。どうやらかなりの手練れ揃いみたいだ。さすが妖狐一族、隙が無い」
「言っている場合じゃ無いですよぉぉ!! 大、大大大ピンチじゃないですかぁ~!!!」
涙目で絶叫する木綿先生の声を聞きながら、私はどうやってこの状況を打開するか焦る頭で思案する。
しかし完全に包囲されている上に、地の利も数も向こうが圧倒的に有利な状況。どうすれば切り抜けられるのか皆目検討もつかない。
「……っ!」
まさに絶体絶命――そう思った時だった。
「うぅっ!?」
「ぐくっ……!」
「!?」
突然私達を取り囲んでいた妖狐達の一部が苦しみ出したかと思うと、あのいつか見た黒い妖力が突如発生し、彼女達を包み込んだ。
「ウウ……」
「アア……!!」
「くっ、この妖力まさか……!?」
「よせっ、しっかりしろ!!」
そうして黒い妖力をまとった彼女達は呻き声を上げて、何故か同じ仲間である筈の妖狐達へと攻撃を仕掛けたのだ。
「へ……?」
「何が起こっているんでしょう……?」
何故またあの黒い妖力が現れたのか?
そして何故妖狐達が同士討ちを始めたのか?
理由は分からないが、これは私達にとっては絶好の好機だ。
「おしっ! なんだか知らねぇが今がチャンスだ!! いくぞっ、水輝!! もめん!!」
叫びながら夜鳥くんが両手に妖力を込める。すると手からはバチバチと稲光りが現れ、けたたましい音を上げて稲妻が妖狐達を蹴散らした。
「はぁっ!!」
雨美くんが両手を合わせ、妖力を込める。すると轟音と共に、間欠泉のように床から巨大な水柱が噴き出した。
「うぉぉお!! 僕だって負けませんよーっ!!」
叫んで一反木綿姿になった木綿先生が、妖狐達を薄っぺらい体を使ってぐるぐる巻きに拘束する。
すごい! 派手な技は無くても、めちゃくちゃ効果的なやつだ!
