雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 ◇


 翌朝、緊急の全校集会が開かれた。
 理由はもちろん、例の賭け事である。
 

「――賭け事というのは、校内の風紀を害する悪しきものなのです。そもそも我が校は由緒ある――」 


 学校長が文化祭ではブーイングで満足に話せなかった憂さを晴らすように、ペラペラペラペラとステージで話し続ける。なんと1時間も、だ。

 私達生徒会も学校長の後に出番があるので、ステージ上で待機しているが、朝っぱらから1時間も突っ立ったままは身体的にも精神的にも辛過ぎる。
 横に立つ九条くんの表情は相変わらず涼しげでいつも通りだが、雨美くんと夜鳥くんは苛立ちを隠そうともしていない。かくいう私も、ぶっちゃけしんどい。


「ふぁ……」


 いかん、あくびが出た。実は昨日、私は一睡もしなかったのだ。九条くんに勉強を教えてもらった後、自室に戻ってからも勉強していたら、いつの間にか朝になっていたのである。
 そんな訳で今の私は眠いやら気分が悪いやらで、最悪の状態だった。


「――賭け事というのは、校内の風紀を害する悪しきものなのです。そもそも我が校は由緒ある――」


 いや、その話さっきも聞いたし! 話すことに夢中で、自分が今何しゃべってんのかも分かってないんかいっ!!


「――――っ」


 あ……?

 脳内で学校長に勢いよくツッコんだ途端、視界がぐるりと回った。
 うう、なんか本気でヤバくなってきたかも。

 目の前が、暗く、な……る……。


「――っまふゆ!!」


 狭まっていく視界。微かに聞こえるのは、九条くんの声と周囲のざわつく声。それから誰かに抱えられる感覚がして、ふわふわと体が揺れた。