クズ吸血鬼を拾ったら




ーー私が知っている限り、それは、恋に似ている。

そうだとしたら、きっと知るのは幸せで、怖いことなんてないはずだ。


「だったら、咲ちゃんが俺に教えてよ」


陸くんは私の手をとって、甲にやさしくキスをした。


「ふ、ふたりで! 二人で一緒に、わかるようになろうよ」

「一緒に、ね。じゃ、俺のこと、置いてかないでね?」

「そ、れは、私のセリフだよ……!」


いつも先回りするのは、陸くんの方だ。

今から恋を知ろうとするには、なんだか色々飛び越えて、色々経験しちゃった気がするけど。

きっと、今からだって遅くない。


ーー好きになんか、なっちゃいけないと思ってた。

けど、そんな吸血鬼と私は、恋を始める。

二人で一緒に、ちょっとずつ。

知らない気持ちを、知るために。






【おしまい】









「……なんでフライパン持ってたの?」

「咲ちゃん家の、しょぼかったから。買ってきた」

「……鍵は、どうやって開けたの?」

「もちろん作ったの、合鍵」

「住む気満々だったんだ……」








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完結済みです。

※過去のひどい(・・・)陸くんが見たい方はぜひ!