クズ吸血鬼を拾ったら





ーー夜。

どういうわけだか陸くんは、当然のように私のベッドで横になる。


「ほら、来なよ。寝かしつけてあげる」

「いやいや、一緒に寝るつもり?」

「今さら? あんなにからだを許しておいて?」

「ーーか、からだって……」


聞こえが悪い言い方しないでほしい。

そりゃあ私が感じていたのは恥ずかしさの極みだったけど、陸くんにとってはただの食事のはずなんだから。

……そう、ただの食事。

やたらと私の心臓の音がうるさいのは、陸くんの顔がかっこよくて、それなのにベタベタしてくるから、それはもう仕方のないこと。

ーー好きかもしれないなんて、錯覚だ。

……でも、男の人たちから助けてくれたり、オムライスを作ってくれたり、今思えばスマホを届けてくれたりもしたよね。

そういえば、助けてくれたときに言ってた名前ーー


「……ヒナって、誰?」

「んー、ただの知り合い」


……実在してる人だったんだ。

ただの知り合いとは言うけれど、どうしてその人の名前が出たんだろう。

助けようとした瞬間、その人をイメージしたってことでしょ?


「その、ヒナさんの血、飲んだこと、ある?」

「……気になるの?」