「ねー、これさぁ、決着つかなくね?」
「や、絶対、私が勝つから!」
「往生際、わるっ……あー、じゃあ、こうしよ。俺らでチーム組んで、ネット対戦。そしたら最強でしょ」
……リアルの知り合いとゲームなんかしたことないから、そんな発想がなかった。
陸くんは私と同じくらいの実力で、一緒に遊ぶのは正直、楽しい。
「また勝ちー。俺ら強いじゃん」
「……ね、陸くん、引かないの?」
「え、何に?」
「私が、ゲーム上手くて」
「なんで引くんだよ、むしろいいと思うけど。一緒にできてたのしーよ?」
同じ趣味の知り合いがいなくて、なんとなく、ゲームが好きなことは隠してきた。
そのことを知ってる数少ない友達には、ゲームばかりしてるから彼氏ができないとまで言われてる。
だから、陸くんに受け入れてもらえて、うれしかった。
「……ありがと」
「え、なにそれ。俺なんもしてないけど。惚れちゃった?」
「ち、ちがっ」
勝手に赤くなる、自分の顔が憎らしい。
これじゃまるで、本当に惚れちゃってるみたいじゃん。
「好きになっていーよ? 俺のこと」
「……ならないよ」
自分の中に渦巻く感情がなんなのか、わからない。
わかっちゃダメなんだ、きっと。
……だって明らかに、絶対に、陸くんはまともじゃないもん。



