クズ吸血鬼を拾ったら




「ごちそーさま。……咲ちゃん、汗、すごいよ? シャワー浴びたら?」


息を整えるのに必死な私を横目に、陸くんは読み途中だった漫画に手を伸ばす。

……こっちの気も知らないで、自由すぎる。

とはいえ、なにか言ったら、またなにか始まりそうで、言えない。

それに、今すぐにでもシャワーを浴びたい気持ちがあるのも確かだ。

汗ばむ肌に服が張りついて気持ち悪い。

乱れた呼吸が落ち着いてから、私は浴室に向かった。





シャワーを終えて部屋に戻ると、漫画に飽きたのか、陸くんはゲームをしていた。

今度は私のじゃなくて、ちゃんと自分のを使ってるみたい。

私が大学に行っていた間に持ってきたのかな。

……ということは、一度家に帰ったのに、また来たのか。


「あ、おかえりー」

「……ここに、住む気ですか?」

「いいの?」

「よくないっーー」


私が言い終える前に陸くんは私の手を引き、隣に座らせる。


「一緒にやろーよ」


そう言って差し出してきたのは、私のゲーム機。


「……私、強いよ?」

「だいじょーぶ、俺のが強いから」


……絶対、私のが強いもん。

ゲームしか取り柄がないんだから、ここだけは強気でいかせてもらいたい。


ーーで、二十分後。

私たちは、めちゃめちゃいい勝負を続けていた。