「……あの」
「ん?」
「……血を、吸うだけだよね」
ついそんなことを聞いたのは、私にまたがって見下ろしてくる陸くんがあまりにもーーあまりにも、か、官能的? ……だったから。
「そーだけど……他にもなんかしてあげよっか?」
……頭が爆発するかと思った。
ーーなんかって、なに。
私は精いっぱい、首を横に振る。
「えー、しなくていいの? 物欲しそうに見えるけどなぁ」
「そっ、そんなこと、ないもん……」
「はは、やっぱ、こっちの方がかわいー。咲ちゃん。顔、真っ赤だよ? 林檎みたい」
誰のせいで赤くなってると思ってるんだろう。
夜が近づいて、もうじき部屋も暗くなるはず。
……どうか早く、私を隠してほしい。
そんなささやかな願いが叶う間もなく、首筋を陸くんに噛みつかれた。
慣れたーーなんて言わないけれど、知ってる感覚に襲われる。
知っていたって、耐えがたい。
吐息と共に、声が漏れてしまう。
溢れる恥ずかしさを悟られないよう、必死に顔をそむけていたけれど、ふと、気になって。
陸くんはどんな顔をしているのかと、こっそり見てみる。
ーーで、目が合った。



