「わたしの家では自由に過ごしていいわ。食事はわたしが出すし、家賃とかも請求しない。わたしが安心するまで側に居てほしいの」

 田山の提案にわたしの中の天秤が、泊まっていい方に大きく傾いた。

「学校から近いし、いいかも」

「でしょう? お願い、人助けだと思って」

 田山が両手を合わせて頭を下げる姿を見て、わたしは提案に乗る事にした。

「分かった。母に相談して許可が出れば、着替えを持って行くわ」

「ありがとう」

 ほっと安堵する田山だが、まだ決まってないのに、嬉しそうな顔をしている。

……母から反対されてもゴリ押しして泊まれるように説得しよう。