「確かに仮面の男を殺した犯人も、凶器の拳銃が見つかってないですね」

「そう。もしかして仮面の男を殺した犯人が玉木を殺したんじゃないの? 殺し方だって同じだし」

 田山の発言に中川が疑問をぶつける。

「もし、犯人が同じだとして、何で玉木を殺したんだ? 仮面の男が殺されたのは仲間割れだろ?」

「それはわたしたちの推測でしょ? もしかしたら、仮面の男を違う目的で殺したのかもしれない。その目的次第では、次はわたしたちが殺されるかも……」

 田山の言葉にわたしの背筋に悪寒が走る。

 殺される?

 どうして?

 そんな事しか考えられない。

 だって殺される心当たりがないし、意味が分からない。

「そんな訳ないじゃん。田山、考えすぎー」

 田山の怯える声とは対照的に石井がケラケラと笑いながら言う。

「どうしてそんなに楽観的なの?」

「たまたまかもしれないじゃん。それこそ模倣犯? みたいな奴が玉木を襲ったのかもしれないし」