「どうしたの、明良? ご飯食べないの?」

 固まったわたしにあかねが首を傾げると、わたしは勢いよく椅子から立ち上がる。

「ごめん、今日は二人で食べて!」

「え、ちょっと!」

 わたしは二人に謝罪すると、そのまま教室を出て行った。

 あいつがどこにいるかは分からなかったけど、とにかく人が賑わっている場所を目安に探した。

 走っているわたしを見て指差す人がいるけど気にしない。

 学校のあらゆる場所を探していると、食堂の入口に一つの人だかりを見つけた。

 それは食券を買う列ではなく、誰かを囲むようになっている。

 わたしはその中央へ歩み出す。

 わたしに気付いた人たちは、驚いた表情をみせているが無視をする。

「羽間!」

「え、新田さん?」

 中央にいるであろう羽間に声をかけると、びっくりした声が返ってきた。