「ごめん、ビックリしたよね。普通に歩いていたから、大丈夫だと思ってたんだ」

「テレビで事件を見たよ。怪我はしてない?」

 オロオロとわたしに接する二人に、一つ深呼吸をすると笑って明るく返事をした。

「大丈夫! 軽い栄養失調になっただけで、もう何ともないよ」

「本当? 無理してない?」

「ないない。むしろ最初に二人に会えた事が嬉しい!」

 更に尋ねる桃香に、わたしは片手を振って否定する。

 そうでもしないと、二人はわたしの様子を伺い続けそうだから。

 それに、学校に行くのが不安だったけど、二人に会えて嬉しかったのは本心だ。

 わたしの言葉に二人はよそよそしい雰囲気を無くし、いつもの調子で話し始めた。

「それなら良かった。本当、心配したんだからね!」

「そうだよ。わたしたちと遊んだ後だったから、余計心配したんだよ」

「心配掛けてごめんって。遊んだ後に誘拐された事は誘拐犯に文句言ってよ」