羽間を先頭に手入れがされていない道を歩くが、雑草が生えまくっている為、歩くたびにチクチクと足や太腿に痒みに近い痛みが走る。

 それでも羽間が道を覚えていたおかげで、すぐに国道へ辿り着いた。

 とりあえず、怪我をしている玉木を側の木に寄り掛からせて、休ませてから周囲を見渡す。

 ここまで来ると日光のおかげで周囲が見やすくなっていたが、国道以外に目につく建物は、あの廃ホテル以外は見当たらず、木々と遠くに山々が見えるだけだった。

「近くに民家はないな……」

 わたしと同じことを中川がキョロキョロと辺りを見回しながら呟いた。

「玉木さんのことを考えて、車が通るのを待ちませんか?」

「そうしてもらえると助かる。正直、助けを呼ぶ場所が分かっていないのに、歩き続けるのは、辛い」

 羽間の提案に玉木が渋い顔をして同意する。

「確かにそうですね。ただ、僕たちが逃げたことを知ったデスゲーム側の人たちが、後を追ってこないかが心配ですが……」