「それか外に罠を仕掛けているかだな」

「もしかしたら、この首輪が外れるかもしれません」

「そんな上手くいくか?」

 それぞれが自分の考えを口にするが、答えは出ない。

 それに痺れを切らした玉木が大きく息を吐いた。

「もう、考えても仕方ないだろ? さっさと押そうぜ」

「あ、ちょっと」

 わたしが止めるより先に玉木がスマホの『はい』にタップした。

 すると、甲高い機械音があちこちで鳴ったかと思うと、首輪が音を立てて外れて地面に落ちた。

「と、取れた」

「これで建物から出ても問題ないよね?」

「おそらくな」

 首元を触って一番の危機を排除したことで、みんなの顔に安堵の表情が浮かぶ。

「このスマホから連絡は取れないんですか?」

「ダメだ。連絡機能はどこにもない」

 植本の言葉に玉木がスマホを操作していたが、首を横に振った。