「どういうこと?」

 田山の疑問にわたしが尋ねる。

「拳銃はないけど、仮面の男が死んでいる。わたしたちは誰も殺していないし、そもそも武器を持っていない。仲間割れなんかして殺されたんじゃないの?」

「その仲間はどうして殺したの?」
「そんなの知らないわよ」

 言うだけ言ってそっぽを向く田山に中川が面倒臭そうに頭を掻いた。