「……無いんだよ」

「は、何が無いんだよ?」

「あいつが俺を撃った時に使った拳銃がどこにも無いんだよ!」

 玉木の苛立ちを含んだ声に全員がハッとした。

 確かに死体は頭を撃ち抜いているのに、その手に拳銃を持っていない。

 それどころか、拳銃自体がどこにもないのだ。