「そのせいで羽間様の人生が苦悩のものになったことを考えると、心苦しいです」

 男はそう言って視線をドアに向けました。

 男の視線には首吊り用のロープがゆらゆらと揺れていました。

「……何が言いたいんですか? ただ慰めるだけならいりません」

「まさか。わたくしたちは貴女様に力をお貸ししたいのです。最高の復讐のステージで恨みを晴らしましょう」

 そう言って微笑む男は胡散臭くて堪りませんでしたが、他人がわたしの無実を信じている人は初めてで、思わず尋ねてしまいました。

「あなた、いったい何者なんですか?」

「申し遅れました。わたくしはデスゲームの主催者です」

 それから主催者からデスゲームの話を聞きました。

 実際に他のデスゲームの現場に連れて行かれて惨状を目の当たりにしました。

 妬みや憎悪、殺意が渦巻く現場の迫力とデスゲームの餌食となり無惨な姿となった参加者に圧倒されました。