「わたしたち? どういう事? 他の奴は何かしたかもしれないけど、少なくともわたしは何もしていないわよ」

「そうですね。貴女の場合は何もしなかったから、このゲームに参加することになったんですよ?」

 心当たりのないわたしは首を傾げる事しか出来ない。

 わたしの態度に羽間は大きなため息をついた。

「何も覚えてないんですね。わたしは地獄のような苦しみを味わったのに……」

 そう言って睨む羽間に少し怯むが、心当たりがないわたしは尋ねるしかない。

「なら教えて。どうしてこのゲームが始まったのか。アンタの動機はなんなのか」

「いいですよ。しっかり聞いてくださいね」

 そう告げると、羽間は静かに話し始めた。