「そんな……」

 植本が同じ人間の考えとは思えず、さらに後退りをする。

「次は貴女の番です」

 植本は中川の腹部からナイフを抜き取る。

 この頃には中川は身じろぐだけでほとんど動かなくなっていた。

 そんな中川を見下ろして、植本はトドメと言わんばかりにナイフを中川の首元に深々と刺した。

 淡々と処理をする植本に何を話しても説得出来ない。

 とにかくここから逃げないと……。