「新田! そこにいたか‼︎ お前ら絶対許さねぇ‼︎」

 わたしに指差して中川は叫ぶと、走って校舎に入って行った。

「今、新田の名前を叫んでいたよな?」

「なに? 新田さん、狙われているの?」

 中川の言葉に反応したクラスメイトたちはわたしに注目する。

 迷惑そうな囁き声に体が硬直するが、わたしの腕を誰かが掴んで、どこかへ引っ張る。

 驚いて振り向くと切羽詰まった顔のあかねが教室の入り口に向かっている。