翌日、わたしはいつもより一時間早くに家を出て学校に向かった。

 あの生放送をした男について多田に問いただそうと考えている。

 自演だとしても生放送の男は多田と関わっている。

 多田に聞けば何か知っているかもしれない。

……もし男の炎上動画の案を出していたら、一発殴ってやる。

 わたしはさらに視線とスマホを自分に向ける外野を鬱陶しく思いつつ、足早に学校に着いた。

 いつもの時間より早めに出たのに、あまり意味がなかった。

 教室に行って多田を探すけど姿は見えない。

 わたしは近くのクラスメイトに声を掛けた。

「おはよう。ねぇ、多田見なかった?」

「た、多田くんですか? それならさっき、佐藤先生に呼ばれて生活指導室に連れて行かれましたよ」

「そう、分かった」

 わたしはそのまま教室を出て生活指導室へ足を運ぶ。

 扉の前に着くと耳を当てて会話を盗み聞きすることにした。