確かに羽間の髪と違う髪色で、わたしと同じ位置に配置されている。

「その髪の毛を思いっきり引っ張って」

「え?」

「引っ張るとすぐに抜けるから、その箇所をこちらに見せてほしいの」

「何があるんですか?」

「あとで説明するよ」

 わたしの言葉に羽間は息を呑んでいたが、意を決したのか思いっきり髪を引っ張った。

 偽物の髪はすぐに剥がれて、手元に残る髪の束に羽間が悲鳴をあげる。

「え、いや! わたしの髪が……」

「大丈夫、それエクステだから」

「エクステ? ……本当だ」

 パニックになっている羽間を冷静にさせようと声をかける。

「エクステがあった辺りをこっちに見せてくれない?」

 羽間は髪をかき上げてわたしにその箇所を見せてくれる。

 そこにはわたしと同じように横一線の手術痕が残っていた。