この中に殺人鬼がいるのかと思うと、羽間から少し距離を取ってしまう。

 わたしの露骨な態度に羽間は苦笑いをして、生徒手帳とボールペンを仕舞った。

「新田さんから見れば、わたしも怪しいですよね。困ったことがあれば相談に乗りますので、スマホで連絡してくださいね」

 羽間は袋を回収して教室を出て行く。

 誰を信用していいのかわからないわたしは、その背中を見送ることしかできなかった。