「例の誘拐事件メンバーと会う約束をしてるの。すぐそこのファミレスで話し合いをするつもり」

「何を話し合うの?」

「……ちょっと今の状況で気になることがあってね」

「ねぇ、わたしたちも一緒に付いて行ってもいい?」

「え? それは……」

 話す内容が内容なので、わたしが渋っていると何かを察した桃香があかねの腕を引っ張る。

「あかね、ダメだよ。きっと大事な話し合いをするんだから、別の席で待ってよう」

「待つって何を?」

「話し合い終わったら、買い物に行こう」

「そうそう。嫌な事続いているから、気分転換にしよう」

 二人の提案にわたしは嬉しく思っていると、スマホに着信が入る。

 通知を見ると羽間たちがファミレスに着いたと書いてあった。

「皆着いたって書いてあるから、もう行くね」

「待って、わたしたちも行く!」

「話は聞かなくても顔合わせくらいは良いでしょ?」