翌日、退院の準備をしている時に病室の扉をノックする音が聞こえた。

「思ったより早かったね。ファミレスで待っていても良かったのに……」

 羽間たちが来たのかと思い、扉を開けるとそこにはあかねと桃香が立っていた。

 あかねは眉間に皺を寄せてわたしを睨み、桃香は目に涙を浮かべている。

「あ、あかねに桃香? どうしてここに?」

「明良のお母さんから聞いたの! どうして連絡無視するのよ! 心配したんだから!」

「ご、ごめん。疲れて眠ったから連絡するの忘れてた」

「ふーん、わたしたちに連絡しないで、誰と約束してたの?」

「うっ」

 さっきのわたしの言葉を聞いていたらしい桃香の言葉が刺さる。

 黙っていても仕方がないので、二人に正直に話すことにした。