嘘、死んでるの……?

「ど、どうしよう。だ、誰か……。きゅ、救急車」

 わたしはパニックになるが、とりあえず助けを呼ぼうと震える指でスマホを操作する。

 たった三桁の数字がうまく打てない。

 ようやく打てた一一九の電話に出た救急隊員にも、上手く言葉が伝えられず、状況や住所を伝えるのにだいぶ時間を使ってしまった。

 そして連絡してから数十分後、アパートの前に救急車が止まり、二人の救急隊員が田山の様子を見たが首を横に振る。

 それは田山が死んだ事を示して、わたしは足元から崩れる感覚と共に意識を手放した。