黒いソックスにチェックのスカート、田山が着ていた物と同じだ。

「田山? こんなところで何してるの?」

「……」

 わたしが声をかけるが、田山からの返事はない。

 わたしは嫌な予感がしつつ、壁の電気スイッチを探して電気をつけた。

 室内はすぐに明るくなり、一瞬わたしは眩しさで目を瞑る。

 明かりに慣れた頃にゆっくりと目を開けたが、わたしはその選択に後悔した。

 先程の足の正体は田山のものだった。

 しかし田山の様子がおかしく、泡を吹いて倒れている。

 目はカッと見開き、両手は首元を掴んでいる。

 よく見ると、首元には細いロープが巻き付けられていて、それから逃れようと掴んでいたのだ。

 周囲は鞄が倒れていて、中身が転がっている。

「た、田山……」

 わたしは田山に近付いて首元に触れた。

 まだ温もりを感じるが、その首は脈打っていなかった。