「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「殿下のお相手をお世話するなら、もっと身分の高い方がよかったわ」

「きっと気の迷いよ。だって殿下はこの国の皇子ですもの」

 ジークハルトの前では黙っていたメイドたちが、賑やかにさえずり始める。

(そんなふうに思われていたの)

 不思議とエレオノールは冷静だった。

 自分がすんなり受け入れられる存在ではないと、幼い頃に学習してしまったせいである。

 エレオノールは機嫌よくエラフィの角を齧る子竜を抱き、唇を噛んだ。

(この子と別れさせられないためには、この人たちにも馴染まなきゃいけない)