「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「部屋まで案内するわ。こっちよ」

 素っ気ない言い方に不安を覚えるも、エレオノールはおとなしくその使用人についていった。



 エレオノールの部屋は城の三階にあった。

 窓から逃げるには高すぎるし、三階の中でも特に奥まった廊下の端の部屋だから、正攻法で逃げようにも逃げづらい絶妙な位置だ。

 もとは客間だからそんな意図はないだろうが、少なくともエレオノールは嫌な意味で自分にぴったりの部屋だと認識した。

 だが、エレオノールにとって問題なのは部屋などではなかった。

「あんた、いったいどんな手を使ったんだい」

 部屋には女官長のミリアムを含め、数人のメイドが揃っていた。