「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「ラスと申します。これからここで……お世話になる、ようです。よろしくお願いいたします」

 曖昧な言い方になったのは、エレオノール自身ここでどう生活することになるのか知らなかったからだ。

 再び顔を上げると、先ほどまでより一層鋭い眼差しを向けられる。

 特にとげとげしい視線を向けているのは、使用人の中でも年配の女だった。

 服装からして、屋敷の清掃や洗濯といった家事を担当するメイドのようだ。

「では、我々と同じメイドの宿舎に案内いたします」

 年配の女メイドが言うも、ジークハルトは首を横に振った。

「いや、客間がひとつ空いているだろう。そこを使わせろ」