全身を覆う短い毛は水をよく弾くため、靴や鞄といった濡れてほしくないものに使用される。エレオノールが普段持ち歩いている革鞄も、エラフィの皮から作られたものだ。
本来、エラフィの角はもっと巨大だから、男が用意したのは先端の部分か、あるいは欠けた一部なのだろう。
「いただいてもよろしいですか?」
「もちろん! 代わりにこの子を撫でさせてもらっても――」
「後にしろ」
「ああっ!」
ジークハルトが無情にエレオノールから男を引きはがした。
既にエラフィの角をもらった子竜はご機嫌であぐあぐと口を動かしている。
「そんな、殿下! 少しだけ……」
本来、エラフィの角はもっと巨大だから、男が用意したのは先端の部分か、あるいは欠けた一部なのだろう。
「いただいてもよろしいですか?」
「もちろん! 代わりにこの子を撫でさせてもらっても――」
「後にしろ」
「ああっ!」
ジークハルトが無情にエレオノールから男を引きはがした。
既にエラフィの角をもらった子竜はご機嫌であぐあぐと口を動かしている。
「そんな、殿下! 少しだけ……」

