「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 男は恍惚と言うと、エレオノールにずいっと顔を寄せた。

 驚いたエレオノールが飛び上がると、すぐにジークハルトが男との間に割って入る。

「世話係はこの女だ。お前たちには補佐を頼みたい」

「俺たちにやらせてくれないんですか……!?」

 そのときの男の顔といったら見ものだった。

 この世のすべてに絶望し、もう終わりだと神を呪っているとしか思えない表情をしている。

「……ドラゴンのこと、お詳しいんですか?」

 ジークハルトの背に隠れながら、エレオノールはこそっと聞いてみる。

 答えたのは男ではなくジークハルトだった。