「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 荷車いっぱいに藁を運んでいた男がジークハルトとエレオノールに気づき、なにか言おうと口を開いて止めた。

 その目はエレオノールの腕の中で足をばたつかせる子竜に向けられている。

「殿下! そのドラゴンはいったい……?」

 駆け寄ってきた男は興奮気味に目を輝かせていた。

 エレオノールは前のめりな男の様子に不安を覚え、無意識にジークハルトの背に隠れようとする。

「これからここで世話をすることになる。城の者に紹介する前に、まずこちらが先だろうと思ってな」

「子どもの世話なんて何年振りでしょう! いつ孵ったんですか? 親の種族は? ああ、なんてかわいいんだ……!」