「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

　皮肉な言い方はジークハルトの耳にも届いているはずだが、これといった反応はない。

　勝手に会話を打ち切られたことを簡単に許すつもりはなく、エレオノールはジークハルトの存在を無視して子竜とたわむれた。



　やがて街の中心部にある大きな城に到着した。

　ここもまた街のように高い壁に囲まれており、その内側に五つの建物が立っている。

　騎士団の兵士たちの宿舎であったり、軍に関係する資料や武器の保管庫であったりするのだろう。

　てっきり中央の最も大きな城に入るかと思いきや、ジークハルトは右手の道へ進み、広い空き地のそばにある建物へ向かった。