「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「どきません。この子をどうするつもりですか?」

「ドラゴンの卵はすべて帝国で管理し、いずれ竜騎士団で使役するドラゴンとして調教する。帝国民でありながら、そんな常識も知らないのか?」

「生まれは帝国ではありません。ですから今、初めて知りました」

「知ったからにはもういいだろう。もう一度言う、そこをどけ」

「お断りします」

 ジークハルトにもう一度出会えた喜びはとうに失せ、ふつふつと怒りが込み上げる。

 一歩も引かないエレオノールを見て止めに入ったのは、入口で右往左往していた村長だった。