「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 張り詰めた厳しい声は、エレオノールの知っているジークハルトのものではなかった。

「え……?」

「そこに置いてある卵は、ドラゴンのものかと聞いている」

 咎められているように感じ、自然とエレオノールの背筋が伸びる。先ほどとは違う嫌な緊張で息がしづらい。

「育ての親はそうだと言っていました」

「もしそれが本当ならば、その卵はここにあるべきではない」

 そう言ったジークハルトが無遠慮に家の中へ踏み込もうとしたのを見て、エレオノールは素早く卵の前に立った。

 そして両手を広げ、突然態度を変えたジークハルトから卵を守ろうとする。

「そこをどけ」