「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 村長は来訪者であるジークハルトよりも、一応は村の一員であるエレオノールに聞くほうが早いと思ったようで口を開きかける。

(このままじゃ、ますます変な感じになりそう)

 素早く判断したエレオノールは、村長から質問を投げかけられる前にジークハルトに向かって言った。

「せっかく来ていただいたことですし、お茶の用意をしてきますね。どうぞ座って待っていてください」

 村長が残念そうな顔をしたのを見て安堵したエレオノールだったが、次の瞬間、家の中を見たジークハルトの表情がこわばったことに気がついた。

「まさか、それはドラゴンの卵か?」