「だっ、大丈夫です!」
再び耳もとで囁かれたせいで逆に意識を取り戻したエレオノールが、飛び上がるようにしてジークハルトの腕を逃れる。
「本当に! ありがとうございました!」
声が裏返っているのも構わず言うと、エレオノールは顔を真っ赤にしたまま、地面に転がっている卵のもとへ駆け寄った。
(テレーと全然違った!)
たおやかで細身のテレーと異なり、ジークハルトの腕は逞しかった。
それを意識しすぎないよう、エレオノールは片手でパタパタと顔を仰ぎながら卵をカゴに戻し、上から布をかぶせて立ち上がる。
「重そうな荷物だな。運ぼうか」
「ご、ご心配なくっ」
再び耳もとで囁かれたせいで逆に意識を取り戻したエレオノールが、飛び上がるようにしてジークハルトの腕を逃れる。
「本当に! ありがとうございました!」
声が裏返っているのも構わず言うと、エレオノールは顔を真っ赤にしたまま、地面に転がっている卵のもとへ駆け寄った。
(テレーと全然違った!)
たおやかで細身のテレーと異なり、ジークハルトの腕は逞しかった。
それを意識しすぎないよう、エレオノールは片手でパタパタと顔を仰ぎながら卵をカゴに戻し、上から布をかぶせて立ち上がる。
「重そうな荷物だな。運ぼうか」
「ご、ご心配なくっ」

