バトラコスから助けてもらった時とは違う、もっと落ち着いた声が信じられないほど近くで聞こえ、エレオノールの体温が一気に上がった。
左耳のあたりがくすぐったいのは気のせいだと思いたいが、確かな熱を含んだ吐息が間違いなく耳朶に触れている。
「ぅ、あ、ぇ」
奇妙な鳴き声を漏らしたエレオノールは、ジークハルトの腕に抱き留められたまま完全に硬直してしまった。
なにせ、異性の体温をこんなに近くで感じたのは初めてなのである。
ただでさえ他人との距離が遠いエレオノールにとって、背中いっぱいに感じるジークハルトの体温はあまりにも刺激が強すぎた。
「まさか、どこか怪我を」
左耳のあたりがくすぐったいのは気のせいだと思いたいが、確かな熱を含んだ吐息が間違いなく耳朶に触れている。
「ぅ、あ、ぇ」
奇妙な鳴き声を漏らしたエレオノールは、ジークハルトの腕に抱き留められたまま完全に硬直してしまった。
なにせ、異性の体温をこんなに近くで感じたのは初めてなのである。
ただでさえ他人との距離が遠いエレオノールにとって、背中いっぱいに感じるジークハルトの体温はあまりにも刺激が強すぎた。
「まさか、どこか怪我を」

