むしろまだ到着しない神官の代わりに、ぼろぼろになりながらも癒やしを施して回るエレオノールに賞賛の声が上がる。
「……おとなしくしていろと言うのに」
唯一、不満そうにしているのはジークハルトだった。
『いいじゃない、本人がやりたいと言うならやらせたら?』
少し離れた位置でリュースを見守るシュルーシュカが言う。
『あなただってどうせ事後処理に追われるんでしょ。エルばかり言えないわよ』
ジークハルトは答えずに深い溜息をつくと、諦めたように騎士団の者たちが集まるほうへ歩き出した。
(エルが母親として後始末に奔走するなら、俺も父親としての義務を果たすべきか)
「……おとなしくしていろと言うのに」
唯一、不満そうにしているのはジークハルトだった。
『いいじゃない、本人がやりたいと言うならやらせたら?』
少し離れた位置でリュースを見守るシュルーシュカが言う。
『あなただってどうせ事後処理に追われるんでしょ。エルばかり言えないわよ』
ジークハルトは答えずに深い溜息をつくと、諦めたように騎士団の者たちが集まるほうへ歩き出した。
(エルが母親として後始末に奔走するなら、俺も父親としての義務を果たすべきか)

