追い詰められたエレオノールは徐々に上へ向かうしかなくなり、今は雨に打たれながら風に流されまいと必死に尖塔にすがりついている。
(これ以上はもう動けない。一歩でも動いたらきっと落ちてしまう)
城の屋根は雨で滑る。下は視界が悪いのもあって、なにも見えないほど遠い。
(リュースは無事なの? ジークは?)
恋人を思い浮かべた瞬間、エレオノールは心細さから口を開いていた。
「ジーク、助けて。助けて……!」
「――エル!」
豪雨に紛れて、幻聴ではないたしかな声が轟く。
(これ以上はもう動けない。一歩でも動いたらきっと落ちてしまう)
城の屋根は雨で滑る。下は視界が悪いのもあって、なにも見えないほど遠い。
(リュースは無事なの? ジークは?)
恋人を思い浮かべた瞬間、エレオノールは心細さから口を開いていた。
「ジーク、助けて。助けて……!」
「――エル!」
豪雨に紛れて、幻聴ではないたしかな声が轟く。

