「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 雨粒に視界を邪魔され、顔をしかめながらジークハルトはシュルーシュカの示す先を見た。

 なにか、黒く小さな塊が嵐の中で動いたように思う。

 それがなんなのかを確認するまでもなく、ジークハルトは轟く雷の音に負けじと叫んだ。

「シュルーシュカ、行け!」



◇ ◇ ◇



(ここまで逃げてきたはいいけれど……)

 室内にいては危険だと判断したエレオノールは、部屋の中からバルコニーを伝って外に出ていた。

 溶かされてもろくなり、どんどん足場が崩れていく。嵐もまれに見るほど激しくなっていた。