「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

『通じないわ。リュースもだけど、それどころじゃないみたい』

 いつ雷に打ち落とされてもおかしくない空を駆け、必死にエレオノールの姿を探す。

 城の上階はあちこちが崩れかけており、外から中の様子が見て取れた。

 城が崩れていて幸いだというべきか。

毒の霧が城の中からゆらゆらと暗闇に流れ、雨に濡れて消えていく。

 ジークハルトは逡巡した。

 崩れた場所から漏れ出している分、下の階に比べて上階の毒の濃度は薄くなっている。

 シュルーシュカに下ろしてもらえば最上階から中を調べられるはずだった。

 それを伝えようとした矢先に、鋭い声が響く。

『ジーク! あそこの屋根!』