『ちょっと!』
「エルがいない。上に取り残されたままだ!」
早く飛べとかかとでシュルーシュカの腹を蹴ると、不満げな唸り声がした。
しかしシュルーシュカは文句を言わずに再び飛び立ち、先ほど自分がいた城の上階へ向かう。
報告通り、普段はジークハルトの管理下にない皇家直属の竜騎士団が到着し、空を飛び回っている。
城のがれきが落ちないよう運んだり、人々の救助にあたっているようだった。
ルストレイクに拠点を置く竜騎士団とは負けず劣らずの精鋭の動きに安堵しながら、ジークハルトは雷雨の中で目を凝らす。
(念話は通じるか?)

