「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 エレオノールは少し悩んでから、無駄になるくらいならばと小瓶を受け取る。

「助けてくださってありがとうございました。それでは失礼します」

 危機も脱し、怪我人の手当ても済んだ今、次にエレオノールがしなければならないのは逃がした卵の回収だった。

 しかし男のもとを離れる前に腕を引かれてしまった。

「待て。恩人の名も聞かずに帰るわけにはいかない」

 立ち止まったエレオノールが振り返ると、男は改まった様子で自分の胸に手を当てた。

「俺はジークハルトと言う。お前の名は?」

「私は……ラス、と言います」

 咄嗟にそう答え、これも嘘ではないはずだと男から目を逸らす。