「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 またつんとくる香りが鼻をつき、エレオノールは吐き気を堪えて歩こうとする。

 前へ踏み出したつもりが、ぐるりと視界が一回転して揺らいだ。

(この症状、まるで――毒だわ)

 テレーと生活している時、エレオノールは製薬に必要だからといくつもの毒の種類を教わった。

 具合が悪くなる程度で命には影響がないもの。時間をかけてゆっくりと命を蝕んでいく危険なもの。触れるだけで皮膚を爛れさせるもの。

 刻まれた知識が、この場の空気を肺に取り込むなと警鐘を鳴らす。

(あっちにはもう行けない……)