のたうち回るハインリヒは絶えず叫び続けており、リュースは口から謎の液体をまき散らしながら部屋にあるものをめちゃくちゃにしている。
「リュース、お願い。だめ。落ち着いて……」
「みゃあ、みゃうっ」
「私の声が聞こえないの? リュース!」
ハインリヒが動かなくなってなお興奮が治まらないリュースは、いつもするようにエレオノールの腕の中へは飛び込まず、廊下へ転がり出た。
急いで後を追いかけたエレオノールだったが、子竜はすさまじい速さで廊下を駆けていく。
「……うっ」
不意にエレオノールは顔をしかめて口と鼻を手で覆った。

