「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 その腕に噛みついたリュースは、喉の奥でずっと唸り続けていた。

「やめて、リュース! もう大丈夫だから……!」

 完全に理性を失った子竜の姿は、かつてエルフの森を焼き滅ぼした黒いドラゴンのものと重なる。

「リュース!」

「ぐぅ、るる」

 エレオノールが叫んだ直後、リュースはハインリヒの腕から口を離して奇妙な音を立てた。

 喉の奥から聞こえるのとはまた違った音だ。腹の底から響くようなその音も、やはり今までに聞いたことがない。

 床に転がるハインリヒには目もくれず、リュースに駆け寄ろうとしたエレオノールだったが、直後、その足を止めた。

「ふ――みゃ、うあ」